夏といえば、うなぎだ。
各牛丼チェーンも、こぞって発売しているけど。
今回は松屋のうなぎをレビューしよう。
まずは、2025年のうなたま丼、からだな。
うなたま丼
香ばしいうなぎにふんわり玉子の新たな出会い
玉子が付いてるだけで、150円高かった、値段は1130円。

山椒小袋付、だよ。

こちらはうな玉丼、ではなく、普通のうな丼。

トリプルでも2380円。やっぱ安いよな。
うなたま丼の方を注文、来たぞ。

食べてみると・・・

あ、うーん。
これはうな丼じゃないな。
そもそも、卵を使う必要性を感じない。
以前の「炙り醤油風 たまごベーコン肉厚ビーフ」の時でも語ったが。
卵は考えて使わないと、本来の素材の味わいを後退させるケースが多々あるんだ。
ミスター味っ子9巻にもあったように。
原因はやはりつなぎの卵と小麦粉
小麦粉で粉っぽくなり卵の味でそばの味がぼけている
(引用元:ミスター味っ子(9)[ 寺沢大介 ]p30)
マイルドになりすぎるんだよな。
この松屋のうなたま丼も。
卵焼きを敷くことで、うなぎの味が後退している。
たぶん養殖うなぎだろうけど、別に養殖でも旨味成分はあるみたいなんだよ。
さて、そうなると気になるのは完全養殖ウナギの味。4年前の味比較によると、一般養殖ウナギの白焼きと比較して、うま味成分のイノシン酸は5分、脂質も5分。
— 戦車 (@MoterSensha) 2026年5月23日
ただ脂質比率で完全養殖ウナギはオレイン酸が多くDHAやEPAが低めで、このためか脂が強く感じられたとのこと。… https://t.co/oPCsSBZroa
ただ「全卵」って別に、グルタミン酸が多い食材でもない。
グルタミン酸を多く含む食品|健康効果と過剰摂取の危険性も解説 -Food for Well-being-かわしま屋
グルタミン酸が多い食品のランキングを、うま味インフォメーションセンターが発信している情報を元にまとめました。
旨味の相乗効果的なものを行うなら、玉子に出汁を絡めるとかな。
「名代 富士そば」は、うなぎ、玉子、それに出汁…一体感があった。
「名代 富士そば」の全メニュー紹介とうな玉丼の実食レビュー
おそらく蕎麦の出汁にも使ってるんだろう。
昆布はグルタミン酸が豊富だし。
煮干しを使ってるなら、イノシン酸も加えることができる。
だから旨味の総量が、松屋のうな玉丼よりも圧倒的に大きいんだよな。
味が薄い松屋のうな玉丼とは違う。
もちろん、ウナギ自体は貧相ではある、富士そばのうな玉丼は。
うなぎの切れっ端が何個かまぶされてるだけで、松屋の方が大きさはある。
だけどそれを補うぐらい、ダシのパワーがあるんだよな。
料理は違うが、「北京飯店」の北京丼とかもそうだ。
愛知県安城市が誇る、玉子ふわトロのソウルフード「北京飯」ってナンだ!? - メシ通 | ホットペッパーグルメ
https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/masaki-nagaya/1604022
初代店主は試行錯誤を重ね、醤油と砂糖がベースのタレで味付けしたトロトロの玉子丼に豚肉の唐揚げをのせたボリューム満点のメニューを完成させた。
玉子と、豚肉の、味の架け橋となるタレ、がしっかりしてる。
富士そばが、出汁の力を使ったようにね。
一方、松屋はどうだ?そういう工夫を行っているか?
2026年にも「ふわたまうな丼」を食べた。
罪深き、ふわふわ
とな。で、味はどうかっていうと。

やっぱりあれよ。2025年の「うなたま丼」と同じく。

卵焼きを入れることで、鰻の味わいが後退しているし。
玉子焼きっていうか、オムレツに近いか。
富士そばが行っていたような、ウナギとオムレツの味を繋げる出汁や、調味料等も欠いているので、味の一体感がない。
鰻もオムレツも、それぞれが一人でマスゲームやってる感じだ。アンサンブル(合唱、調和)になってないんだよ。
その証左が、このオムレツの断面。

この白っぽさは卵白だろうな。
美味しんぼ25巻のカルボナーラの回にもあるように。
白身を使うのはまったく賛成出来ないね。
スパゲッティ・カルボナーラはバターと生クリームと黄身のまざり合ったソースの濃厚な味が美味しいのであって、白身が加わると水っぽくなってコクがなくなるし、風味も悪くなる。
(引用元:美味しんぼ(25)[ 雁屋哲 ]p33)
玉子の卵白は、風味の邪魔になる。
だから富士そばのうな玉丼のように、出汁や調味料の力が必要なんだよ。
それを用いることで、鰻の美味しい味わいのみをキープしつつ、卵白・卵黄のコクのプラスよって鰻の臭みやクセ等を中和することができる。
他の方のレビューにもあったけどな。
松屋で「1180円の新メニュー」を食べたら、個人的に悲しくなった
玉子焼きを食べると、ふわとろ感が一切ない、しっかり火の通った食感で何も味付けされていません。
まあ、ふわとろはどっちでもいいが。
ポジティブな評価になってないのは。
やはり「玉子の味付け、もしくは、玉子と鰻の架け橋となる味付の工夫がされていない」のが、一番の問題だ。
そもそも「うなたま丼」って料理は、何なんだろうかね。
「うまき」は昔から馴染みがあるし、ちゃんとした店では出汁や調味料で一体感を実現しているから、市民権を得ているけど。
「うな丼」のカテゴリーに属するべきか?
応えは否、だろう。
うな丼やうな重と、相対的な同一性はあるかもしれないが。
まあピーター・ギーチによると。
そもそも絶対的な同一性、みたいなのは存在しないんだけどな。
あの、ピーター・ギーチは「絶対的な同一性」という概念を批判しています。彼は「相対的な同一性」が基本的であると考えており、「相対的な同一性」は種類相対的な同一性述語によって表現されるものです;xとyが同一であると言うことは、「xはyと同じFである」と言うことです(例:xはyと同じ像である)。これらの種類の表現が相対化されると、基本的なカウント名詞、つまり「x は像である」になります。これらの述語は、ギーチによると意味的に基本的です。
したがって、同一性は「物体」や「もの」といった種類中立的な概念によって捉えられるものではなく、例えば「xはyと同じ物体/ものである」という表現があるように、常に何らかの「種類」のものに対して相対的です。そういうわけで、ギーチは絶対的な同一性を否定します。しかし、これはデリダとは全く異なるアプローチであることは明らかです。
https://www.reddit.com/r/askphilosophy/comments/16duxmi/comment/jzuf1yr/?tl=ja
話が逸れた。そんな哲学的なトピックを、別に引用するまでもねえけどよ。
とにかく、松屋は富士そばの「うな玉丼」に見習えってことだ。
出汁の力を用いて、鰻と卵、両方の食材の味を繋げ、一定のクオリティを保ってるんだからな。
松屋のうなたま丼、ふわたま丼はよ。
スルーして、普通のうな丼を食べた方がまだ美味しいよ。

ダブルを食ったな、2025年に。

でも、食った感想を率直に言うとだな。

昔、食った時の方が美味しかった気がする。

あれは確か2019年だった。

俺が会社を辞めて、2社目を8か月で辞めて。
新しく入った3社目でも失敗した、2019年の7月か8月だったかな。
その時に食べた松屋のうな丼。
それが、美味しかった。
なんでだろう、俺の舌が肥えた?当時のメンタルかな。
とはいえ、当時も30代だったしな。若くねえし、もう肥えきってたはずだ。
でも、昔の材料や調理方法と、今のそれが、違う可能性はある。
特に調理方法だ。
もっと薄切りだった気がする、松屋のうなぎ。
うなぎは肉厚だから美味しいとは限らない。
「串打ち3年、裂き8年、焼きは一生」と、あるよな。
そのうちの「裂き」だよ。
串打ち3年、裂き8年、焼き一生|うなぎ豆知識|鹿児島鰻公式オンラインショップ
次の「裂き」では、木のまな板に、目打ちで活鰻の頭を固定して捌いていきます。関東と関西で背開き・腹開きの違いはありますが、手際の鮮やかさは同じです。鰻の肝や骨、ヒレまで包丁一本で処理していきます。蒲焼きの美味しさは、「裂き」での丁寧な下処理があってこそと言えるでしょう。
裂き、によるコンロール。
鰻の水分量、旨味となるアミノ酸の含有量、タレの馴染み具合、形状で食感や味わいは変化する。
また、「焼き」の工程でも水分量はコントロール。
できれば、炭火がいい気がする。
美味しんぼ3巻「炭火の魔力」でも、炭火の重要性は語られてたよな。
以前の記事で紹介したけど。
食戟のソーマ20巻にもあるように。
例えば家庭用のガスコンロだと約250℃で安全装置が作動し火は消えますが
炭火による表面温度は600℃を超える…更にうちわで扇げば1000℃近くにまで達します!
さらに炭から発生する遠赤外線がダイレクトに食材を加熱してくれるわ
あの鹿肉も高火力によって表面はパリッと!中身はジューシーに焼き上げることができるはずよ
(引用元:食戟のソーマ 20 [ 附田祐斗 ]p17)
炭火は、遠赤外線効果で火入れすることができるゆえ。
ダラダラと火入れして、食材の旨味を流出させることを防ぎ、余計な水分のみを蒸発させることもできるだろうよ。
チェーンの牛丼屋に炭火を求めようとは思わないが。
何にせよ、メニューの再考は必要だと思うよ。
「サムギョプサル風極厚豚カルビ焼肉定食」の時の鉄板、を使うとか。
あの定食は松屋の中でかなり美味しい期間限定メニューだったな。
まあ豚肉と違って鰻への火入れは繊細。簡単じゃないね。
だけど富士そばに学ぶのは、別に難しいことじゃないだろうよ。
松屋には、次年度以降のうなぎメニューに期待したい。




