2023年は300軒以上は食べ歩きした。
ほとんど外食。
その中でTOP10…いや、TOP5に入る料理がある。
9月上旬に行った、群馬県桐生市「中華料理 万里」の焼肉丼だ。
まず、東京都内から、伊勢崎駅行きの高速バスに乗車する。
「東京・新宿~ふかや花園・本庄・伊勢崎」というバス路線があってね、以前の記事でも紹介したよ。
駅前には観光地を紹介するボードがあったけれど。
自分の目的はグルメなので、店へ向かうぞ。
アクセスする行き方は、桐生駅北口や南口から、徒歩で1.2kmぐらい。
歩けなくもないけれど。
桐生駅北口から出ている路線バスの「梅田線」に乗って「本町三丁目」で降りたら、徒歩で150mぐらいとかなりショートカットできるよ。
自分も行きはバスに乗ったかな、帰りはがんばって歩いて駅に戻ったけれど。
お店に到着だ。
煉瓦造りの、重厚でレトロな雰囲気、素敵だね。
このお店、桐生市ではかなり有名らしく。
芸能人のサインがたくさんある。
「撮影禁止」と書いてるほどたくさんあったね。
「栄久庵 いつも美味ありがとう」という、地元の店の方のサインもあったな。
もしや、この店だろうか。
別の機会に行ってみよう。
そんな有名店だから待ち時間を覚悟していたけれど。
夏休みでもない9月初旬、日曜日の11時45分だったのが功を奏したのか、なんとか空いてるカウンター席に座ることができた。
でも店内ほぼ満席だったけどね。
メニューを拝見だ。
意外と少な目なのが、逆にいい。
名店ほど、メニュー数を絞っている印象があるからね。
メニューの近くに、桐生市の観光パンフレットがあった。
やはり載ってるね、中華料理万里が。
ボリューム満点の焼肉丼で有名、肉好きにはたまらない一品です。
よし、潔くこの観光パンフレットに紹介されている焼肉丼、だけにしよう。
いや待て、餃子も欲しいな…餃子も追加だ。
さて、注文を済ませ、待ってる間。
卓上の川柳を楽しむ。
起きたけど 寝るまで特に 用もなし
が、一番響いたな、俺の日常だよ…トホホ。
待つこと10分前後かな、来たぞ。
ソースと豚の脂が混じり合ってるのか、すごくつややかで美しいな。
パクりと食べると…。
ああ・・・めちゃくちゃ、美味い!
今まで食った焼肉丼で間違いなくNo.1だな…生姜焼き丼とか。
そういう丼も含めてNo.1。
いや、今まで食べたどんぶり料理で、一番かもしれない。
まず、肉は厚切りでうまいというのはそうだが、意外と脂っこくないのよ。
大森の林SPFを使った生姜焼きの名店「まるやま」の生姜焼きは確かに、美味しかったが。
脂身が多い林SPFは、食べている時、その脂が少し重たく感じる時もあった。俺もアラフォーだしな。
しかしここの焼肉丼は…赤身と脂身の旨さのバランスがいい。
そして豚肉に負けないほど、タレが強い。
ニンニクと豆板醤系のタレ、という人もいたし。
【食レポ】群馬県のデカ盛り爆食グルメ巡り 第4弾:万里(桐生市 )の焼肉丼 | BANANASCOOTER'S~バナナスクーターズ~ブログ
今はリンク切れしたけれど、TVでた蔵のサイトでは。
何十年も継ぎ足している直伝のタレがある?という話もあった。
このタレと肉の協奏曲はね…さながら、鎮座DOPENESSとキリンジのコラボのよう?
いや、DAOKOと岡村靖幸のようだ。
www.youtube.com岡村靖幸のような、唯一無二の熟成ダレ、このタレは美味すぎて、どんな肉も負けてしまいそうになるが。
DAOKOは見事に、岡村靖幸に負けない強い豚肉として、対峙した…。
と、音楽でたとえようとしたが、わかりにくいので。
料理科学的な話で、なぜこの豚丼が美味いのか、分析してみよう。
まず「タレが美味すぎる」というのは、実は諸刃の剣だったりする。
鉄鍋のジャン1巻でも、XO醤が美味すぎて、食材の味を逆に削いでしまうという話があるように。
XO醤はうますぎる調味料なんだ
ヘタに使うと素材の味そのものを壊してしまうほどにな
(引用元:鉄鍋のジャン 01 [ 西条 真二 ]p241)
この美味すぎる秘伝のタレでは、オーバースペック過ぎて。
どんな豚肉も素材の味を生かしきれず、タレ丼になってしまいそうな気がするが。
そんなことはない。
タレに負けないための、厚切りで、大ぶりの強い豚肉を用意している。
それによって、タレと豚肉は絶妙なコンビネーションを築き上げている。
そして「油とタレの融合」だ。
華麗なる食卓24巻で、香辛料を油でいためて、油に香辛料の風味を移すという調理法があった。
香辛料を大量の油で炒め香りを油に移す…できた熱々のカレー油を仕上げとして焼いた鶏肉にかけ香りが逃げない内にフタをする
(引用元:華麗なる食卓 24 [ ふなつ一輝 ]p182)
ラーメンなら香味油として、活用している店もあるが。
そう、ここのタレは、単なる醤油ダレではなく。
トロみがある…それは、味噌ダレほどドロドロしておらず、豚肉の味の邪魔をしない。
このトロみは熟成の結果だろうか?
それもあるだろうが。
豚肉に火入れした時に出る肉汁(脂)も、秘伝のタレと混ざりあってる。
つまりグルタミン酸や各種アミノ酸が豊富な熟成ダレに、さらに追加で、豚肉のイノシン酸などの脂が加わる。
それによって、旨味がさらに増強されてる。
つまりタレの熟成と、豚肉の肉汁の融合だ。
さらにこの旨味が凝縮されたタレが…軽く、火入れもされている気がする。
フェルマーの料理1巻に、ケチャップをフライパンで熱し、香りの強調とメイラード反応を起こすという描写があった。
2巻でも、醤油に火入れして「焦げ」を利用するシーンがあった。
これは食材の水分量の話に繋がる。
余計な水分を減らすことで、素材の旨味を凝縮させる。
それは中華料理で言う「油通し」だ。
食材の水分は、瑞々しさとして美味しさを左右するファクターではあるものの。
逆に、味がぼやけたり薄かったりといった、いわゆる「水っぽい」と表現される、ネガティブ要因にもなり得る。
俺が草加で食べたあんかけ焼きそばや。
池袋で食べた野菜の水分が多すぎると感じたあんかけ焼きそばのようにね。
食戟のソーマ4巻にあるように。
うむ…トマトには旨味物質のひとつグルタミン酸が含まれており 乾燥させることでその旨味が凝縮され舌に感じる甘さは格段に跳ね上がる
(引用元:食戟のソーマ(4) (ジャンプコミックス) [ 佐伯俊 ]p76)
水分の瑞々しさでは通常のトマトの方があるが、敢えてグルタミン酸が豊富なドライトマトを使ったりする。
つまり「水分を減らす」のも、立派な調理法の一つだ。
だから仕上げに軽く、水分を飛ばすのにも意味がある。
肉汁と秘伝のタレが混じったソースを軽く火入れすることで、余分な水分を取り除いて、メイラード反応によってアミノ酸と糖の結合を促す。
まとめると。
タレの熟成、豚肉の肉汁との融合、そして火入れによるメイラード反応…
まるで織田信長が長篠の戦いで披露した、鉄砲三段打ちの波状攻撃や~!豚丼界の信長や~!!
とね。群馬県とか桐生市でたとえたかったが、できなかったな…。
最初、この豚丼が美味いのに脂っこくないのは。
赤身と脂身のバランスが最適だから…といった理由かと思ったが。
タレの力もある。
タレが強いことで、脂身のしつこさも抑えることができる。
秘伝のタレと肉汁を融合させた秘伝のタレ(改)のおかげで、豚肉の脂身のしつこさを抑制することにも成功している。
このタレが、ご飯に合わないわけがない。
ご飯も美味い、パサついてない。
だから「えっ、もうなくなったの?」となってしまう。
今まで美味い豚丼は食べてきたが。
この豚丼が暫定1番だ。
全生姜焼きファンも驚愕する味わい。
この豚丼のためだけに、群馬県桐生市に行く価値はあると思うね。
餃子も、焼き色が美しく。
パリッとして美味しかったです。
ごちそうさまでした。
こちらは領収書。
■中華料理 万里(バンリ)
【住所】:群馬県桐生市本町3-5-40
【営業時間】
平日:17時~24時(ラストオーダー23時30分)公式インスタグラムによると。
https://www.instagram.com/kiryubanri/
定休日は火曜日。
毎週土曜・日曜日・祝日は、昼営業あり。
11時〜15時(LO 14時30分)
※日曜・祝日のみ23時閉店。
公式ツイッター、「流れ星」のちゅうえいも訪問したみたいね。
😳えっ❗️マジですか❗️❗️❗️
— 中華料理 万里 (@kiryu_banri) 2024年6月3日
ガチで気づけなかったーーー💦💦💦
ファンなのに😭超ショック💦💦💦 https://t.co/lTO8XrDFas
<採点>
・一人でも入りやすい度:10
(カウンター席あり)
・ファミリーで入りやすい 度:5~7
(テーブル席もあるみたいだけど、喫煙可みたい?)
内観写真。
おまけ。駅までの帰り道に見かけた飲食店。
ここも気になるな。
麻婆豆腐とカニチャーハン、食べたい。
バーガー屋さんもあるぞ。
お土産が買えそうなお店もある、和菓子屋さん。
ソースかつどん、気になるな。
また、桐生市に遊びに来よう。