6月初旬、大阪府守口市 にて。
その日はイオンモール大日にいた。
腹が減った。
寿司屋がある。
店の前で立ち止まる。
うーん、高そうだな…。
たぶん腹いっぱい食べると、5000円ぐらいいきそうで、入店に躊躇した。
自分を客観視し、立場をわきまえなければならない。
俺は低所得者なんだと。
ここで欲望にまかせて寿司を食べると、首が回らなくなる。
キャッシュポイントが、数年前と比べ、かなり減っている状態。
闇金ウシジマ1巻くんで、パチンコで2万負けた池田が、失意の中「牛丼食べたい…」と望んだが。
(引用元:闇金ウシジマくん(1)[ 真鍋昌平 ]p158)
金が無いので、スーパーの100円パスタで我慢したように。
俺も寿司は我慢し、蕎麦にすることにしよう。
というのも、少し気になる蕎麦屋だったというのもある。
鰹節、宗田節、さば節、うるめ節、と、なんと4種の魚の削り節を出汁に使用しているなんてね。
こだわりがあるってのは、いいことだよな。
それぞれの節から取れる出汁の特徴については、以前の記事にまとめた。
数種類の削り節を使うなんて豪華かもな、ということで入店だ。
まずはメニューを拝見。
全部紹介するか。
ちょうど、鰹フェアがやってるのね。
静岡県・鹿児島県産炭火焼鰹、いいねー。
高知県とか南の方で取れるイメージあるけど。
なんと2024年は、北海道でもたくさん取れたみたいだね。
[B! 漁業] 「余計なものが来た…」 ほとんど来ない“カツオ”連日水上げで漁師困惑 飲食店では早速「刺身定食」を提供 北海道函館市
まあホッケやサケがいなくなったら困るわなぁ。
京都が発祥の蕎麦屋さんだからか、宇治抹茶天ざるもある。
だしが美味しい温かいそば…か、いいね。
冷たいそば、か。巨大ざるでも1200円以下、お得だね。
御膳料理、だけどお値段はお得よ。
京風うな重、か。
国産なのか外国産なのか、記載はないみたいだな。
豆富ハンバーグ膳、とり天膳。
蕎麦だけじゃないんだね。
蕎麦とミニ天丼、ミニとり天丼などのセットもあるよ。
ミニ甘きつね、ミニ山かけ、もあるか。
池袋で食った蕎麦屋のカレーとか美味かったからね。
そばの出汁をベースにしたカレーって、うまく化ける可能性は大いにある。
一品料理、清修庵名物というおぼろ豆冨は気になる。
甘味のそばあべかわ、もアピールしているようだ。
お子様メニューもあるので、家族でも行きやすいね。
さて、一通りメニューの閲覧は終わったので。
どれにしようか考えよう。
本来、ラーメン発見伝1巻にあるように。
でも、蕎麦の美味しさを純粋に味わうにはやっぱりもりが一番なんだよね。熱い汁に浸してしまうとどうしても真価が損なわれる………
(引用元:ラーメン発見伝(1) [ 久部緑郎 ] p126)
蕎麦通は「かけ」じゃない。「もり」を頼んで、より蕎麦の風味を味わうのだが。
やはりこの出汁をアピールしている店だ。
「かけ」にして、その豪華な4種だし、いわゆるクワトロ・削り節っちゅーのを、味わったろうやないかい。
しかし、かけ、が見当たらないな。
見落としたか?
国産鴨肉使用、とアピールしている鴨なんば、を頼んでみよう。
ついでに大盛にするぞ。
待つこと10分もかからなかったか、来たぞ。
美味しそうな鴨が載ってる。
大盛にしてきたぞ、実食だ。
まずはスープをね。
ふむ…まあ確かに、ダシは美味い。
甘味と塩味は控えめで、魚介の削り節から取った旨味がしっかりと、あるのは、わかるんだけど。
いかんせん、種類を増やしすぎている。
4種類も使ってるんだからな。
そばもん4巻(p38)の表現を借りるなら「だらしのねぇ味」と、個人的には感じた。
それぞれの魚介の風味が衝突して、旨味があるにはあるが。
お互いに混ざりあって、キレを失ってしまっている印象。
飲みやすいといえば飲みやすいが、うーん。
新宿で食べた「大村庵」の、汁の方が美味いね。
温かい蕎麦ではなかったけど。
飲むとわかる。しょっぱくない。
甘味と、塩味と、旨味…のバランスがすごい。
さっぱりしてるけどコクがある。
かえしをちゃんと作ってる。
汁だけを舐めても美味しいと感じる。そばもん4巻(p64)にあるように、出汁の味とかえしの味が拮抗してるんだ。
まあ今回は温かい蕎麦を頼んだゆえ、一概には比較できないけどな。
そして、もっと言うとだな。
この店の出汁は…塩味と甘味が、弱い。
もちろん、関西のうどんや蕎麦の出汁ってのは、透き通ったのが主流な印象はあるが。
そばもん4巻や。
うす口醤油はその名とは逆で普通の醤油より塩分が多い。
これで塩分を補い、同時に汁の色が濃くなり過ぎるのを抑えるんです。
(引用元:そばもんニッポン蕎麦行脚(4)[ 山本おさむ ]p55)
ラーメン発見伝3巻でも言及されているように。
ああ、薄口醬油は薄味だと誤解してる者が多いが、実際は色が薄いだけで塩分濃度は約18%もある。
(引用元:ラーメン発見伝(3) [ 久部緑郎 ]p136)
薄口醤油であるならば、スープの色を黒くせずとも、塩分濃度を上げることができるはずだ。
以前の記事でも語ったように。
京料理に使用される薄口醤油(淡口醤油)、京都が本社らしい清修庵も、出汁の中に使用しているかもしれないが。
あくまで出汁で勝負したいんだろうか。
だが、塩分濃度がもう少し欲しい。
すしいち4巻にもあるように。
おまけに関東の下らない濃口醤油が
寿司の味を一様にしまいよった
(引用元:すしいち!(4) [ 小川悦司 ]p51)
薄口醤油こそが上等品という認識がされていた時代もあったみたいね。
下らない、の由来は醤油らしい。
下り醤油 | 職人醤油 - 醤油を使い分けると、食はもっと楽しくなる!
www.s-shoyu.com「くだらない」の由来
「くだらない」という言葉は現代でも使われますが、これは江戸時代の物流が語源になっているようですね。江戸のはじまりは、田舎の土地の開拓からはじまっているので、当時は、京都や大坂から江戸へ運ばれた品は品質が高く、「下ってくる」ため「下りもの」と称され、逆に、それに当てはまらないものが現代の「下らない」=品質が劣る、という意味の語源になったと言われています。
「下り酒」などと同じように「下り醤油」という表現もあったようで、それは西日本でつくられて江戸に運ばれてきた醤油を指します。本格的に醤油が生産されるようになったのは江戸時代で、1726年の「下り醤油」は約76%を占めていたといいます。
だからもう少し、出汁の中に醤油を利かせてもいいのではないかと思う。
4つの素材をまとめ上げる醤油の塩味よ。
出汁の素材を増やせばいいってわけじゃないのよ。
例えば、食戟のソーマ6巻で。
風味ってのは多くの種類が混じるほど個々の強さは薄れていく
これはその逆…出汁(ストック)の風味を敢えて取り去る事で
スパイスの強さをより尖らせたカレーって訳だ
(引用元:食戟のソーマ 6 [ 附田祐斗 ]p73)
スパイスの風味を際立たせるために。
出汁ではなく、水で煮込むみたいなシーンがあったように。
引き算も大事だということ。
出汁の風味同士が喧嘩すると、風味が弱まる。
もちろん、例外もあるけどな。
最近、食べた新小岩の「一燈」というつけ麺屋。
鶏白湯に甲殻類を合わせる、足し算が多いのでは?と思いきや。
唯一無二の味わいのスープを実感できる麺料理だったように。
色々なダシを合わせるかけ蕎麦ってのはやっぱり、難しいのかもね。
しかし、具材の鴨肉とかネギは美味しい。
麺はぼちぼちかなぁ、もうちょいコシが強い方が好きだね。
ごちそうさまでした。
お会計は、イオンモール内の店舗だから、もちろんイオンカードが使える。
コード決済は、イオンペイとかペイペイは対応しているっぽいね。
もし、イオンカードがあれば、貯めたWAONポイントを充当できたかも。
イオンカード作る場合は、ニフティポイントクラブ経由だと、ニフティのポイントも貯まるからオススメ。
南海キャンディーズの山ちゃんがCMして。
知名度があるハピタスもいいけど。
自分は慣れているニフティポイントクラブでカード作ったり、ポイ活したりして貯めてる。
自慢だけどどうよ、結構、累計で貯めてきたでしょ。
まあWAONポイントがあまり貯まってなかったので、今回は普通にカード払い。
こちらはレシート。
■清修庵 イオンモール大日店
【住所】: 〒570-0016 大阪府守口市大日東町1−18
【営業時間】
11:00~22:00 (ラストオーダー 21:00)
嵐山・清水寺エリアでそば・ランチが愉しめる店|清修庵 店舗紹介
<採点>
・一人でも入りやすい 度:10
・ファミリーで入りやすい 度:10
店内の内観。
帰り道に見かけた、この店も美味そうだなぁ。